腰痛の原因と対処法を詳しく解説!

 長時間同じ姿勢でいると腰が痛くなってきますね。腰痛のメカニズムも肩こりと同じです。腰の後ろの筋肉が緊張して筋肉内の血行が悪くなり、腰が痛くなるのです。

 ずーんと重い、ギクッと衝撃が走る、動くとズキッ・・・症状はさまざまですが、慢性化しやすいので要注意です。主な原因は姿勢の悪さと運動不足ですが、女性特有の病気が原因の場合もあります

腰の仕組み - 腰にはこんなに負担がかかる

 腰痛は人間が二本足歩行になって以来の宿命ともいわれています。腰は重い上半身を支えており、まっすぐ立っているだけで約6割もの体重がかかっているからです。

 人間の背骨は椎骨という小さい骨が積み重なってできており、椎骨と椎骨との間には椎間板というクッションの役割をする軟骨がはさまれています。

 背骨は上半身をまっすぐに支えてバランスをとるため、腰の部分が弓形に弯曲しています。骨のまわりの背筋や腹筋も身体を支えて動きをフォローしています。

腰痛の原因 その1 - 日常生活のここに注意

■姿勢の悪さ

  • 猫背で背中が丸い
  • やわらかすぎる布団やベッドで寝ている
  • ハイヒール、厚底靴で歩く
  • 膝を曲げずに重いものを持ち上げる
  • 不用意に腰をぐいっとひねる
  • 腹ばい・ごろ寝で本を読む、テレビを見る
  • 長時間立ちっぱなし
  • 長時間椅子に座りっぱなし
  • 長時間の運転

■運動不足 
 背筋、腹筋、脚の筋肉は、身体を支えたり複雑な動作をフォローしています。運動不足でこれらの筋力が弱くなると腰への負担が増加します。

 普段から筋力・持久力を高めるスポーツをしましょう。水泳やウォーキングなどがおすすめです。

■ミニスカートや薄手の下着
 下半身の露出が多いと足腰が冷えやすく、血行が悪くなり、腰痛が起きやすくなります。夏の強い冷房も大敵です。

■肥満
 体重が増えると、身体を支える腰の負担も大きくなります。

■ストレス
 ストレスにより無意識のうちに筋緊張が高まり、それが持続すると筋疲労から腰痛が起こります。

腰痛の原因 その2 - 病気の疑いがあるもの

 普通の腰痛は安静にしていれば数日間でやわらぎますが、痛みが治まらない、激痛が続く、痛みがだんだん増すといった場合は背骨の異常や病気が疑われます。

■女性特有の病気 
 一時的な腰痛であれば、生理に伴う生理痛や月経前緊張症、妊娠、出産などが考えられます。慢性的な腰痛であれば子宮筋腫、子宮内膜症、子宮ガン、卵巣嚢腫などの病気が考えられます。不正出血や月経過多などの症状があれば、婦人科を受診してください。

■胃や腸など消化器系の病気 
 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、大腸がん、膀胱炎、腎盂腎炎、糖尿病、腎結石、脊髄炎なども腰痛を伴います。激痛が続く場合は腫瘍の疑いもあります。発熱、血尿、吐き気などの症状を伴う場合は内科を受診してください。

■骨の病気 
 明らかな神経障害がある場合には椎間板ヘルニアが疑われます。椎間板の中の髄核が飛び出て神経を圧迫している状態です。温めると痛みが強くなったり、せきやくしゃみをすると激痛が走ったりします。

 中腰で物を持ち上げたり、急に立ち上がろうとするなど、腰に急激に無理な負荷がかかって起こるのがぎっくり腰です。椎間板への負荷が大きくなると、ヘルニアになりやすくなります。

腰痛の対処 - 手軽なセルフケア

■正しい姿勢
 日常生活の中で正しい姿勢を心がけるだけで、腰痛はだいぶ緩和されるでしょう。腰痛の原因 その1 - 日常生活のここに注意を参考にしてください。

■簡単ツボ療法
 いますぐ痛みをやわらげたい!という時には、ツボを指圧するのが効果的です。(手のツボ、腰のツボを指圧する)

■腰痛体操

上体前倒し
 椅子に座った状態で息を吐きながら体の力を抜いて、上半身を前に倒し背中の筋肉が伸びていることを意識しながら10秒保つ。5~10回繰り返す。

両もも抱え込み
 床に仰向けに寝た状態から、ももの裏側を腕で抱え込み、できるだけ胸に近づけて背中の筋肉が伸びていることを意識しながら10秒程度保つ。5~10回繰り返す。

両ひざ抱え込み
 床に仰向けに寝た状態から、両ひざを抱え込み、できるだけ胸に近づけて背中の筋肉が伸びていることを意識しながら10秒程度保つ。5~10回繰り返す。

片ひざ抱え込み
 床に仰向けに寝た状態から、片ひざを抱え込み、できるだけ胸に近づけて背中の筋肉が伸びていることを意識しながら10秒程度保つ。左右交互に5~10回繰り返すと効果的。

■食事療法
 たんぱく質、ミネラル(カルシウム、鉄、カリウムなど)、ビタミンC、E、βカロチンの多い食事を多く摂るようにしましょう。肥満気味の人は食事内容、カロリー、普段の運動量などのチェックも必要です。

腰痛と肩こりは同じ原因で起きますので、肩こりに効く食事療法も参考にしてください。肩こりの原因と対策に関するコラムはコチラから!

腰痛予防の心がけ

 腰痛を訴える患者さんは非常に多く、一般病院の整形外科外来患者さんの15~20%が腰痛の患者さんであるとも言われています。

 一言で腰痛と言っても、既に説明してきたように原因は実に様々です。整形外科に通院している患者さんでも、椎間板ヘルニアや変形性脊椎症、脊椎分離症、脊柱管狭窄症など骨や筋肉に異常のある整形外科的疾患の他に1割程度は消化器や泌尿器疾患、婦人科系疾患など内臓疾患に関連するものが含まれているとされます。

 更に重症度についても、手術が必要なものから数日の安静で治ってしまう軽症の物まで色々です。自己判断で腰痛体操などを行うとかえって悪化させてしまうことにもなりかねませんので、まずは原因をはっきりさせることが大切です。

 腰痛は、二本足歩行により腰に負担のかかってしまう人間の宿命とも言われますが、同時に慢性的な運動不足による現代病であるとも言われています。日常生活の中であまり体を激しく動かさなくてもよくなったことが、体力を低下させたり、体を支えている筋肉を衰えさせ、構造上の弱点である腰の部分に必要以上に負担をかけ異常をきたしてしまうわけです。

 腰痛は慢性の不眠症や睡眠不足、疲労、体調不良、または精神的なストレスにより影響を受けることも多くあり、こういった場合は原因の特定が困難になることもあります。実際のところ、一般の整形外科外来を受診する腰痛の患者さんの50%が“原因がよくわからない漠然とした腰痛”であると考えられています。

 つまり、これだけ腰痛になりやすい生活環境の中では、日頃からの腰痛予防に対する心がけが大切で、なるべく腰部に負担が集中しないように、姿勢や歩き方などの動作に気を配る必要があります

 例えば、重いものを持ち上げるときは、膝を曲げてしっかりとしゃがみこみ、脚の力で持ち上げるようにしたり、睡眠時は腰にかかる負担が大きい仰向けやうつぶせの姿勢を避け、横向きで膝を曲げた状態、もしくは仰向けでもひざが曲がるように膝下にクッションや枕をおいた姿勢にするなどです。長時間座る椅子やベッドを腰痛予防の視点から選ぶ(椅子は堅めのシートと背もたれがあること。膝と腰をそれぞれ90度に曲げたとき足の裏が床にしっかりつく高さであること。ベッドは堅めの物を選ぶこと等)こともポイントです。

 そして痛みを発生させないために体を支えている筋肉を鍛えたり筋肉の緊張をほぐしてリラックスさせた状態を保つことが大切です。

 腰痛を発症してしまったら、整形外科的な腰痛であれば安静が第一で(消炎鎮痛剤の内服も有効)通常は2,3日で改善するはずです。ギックリ腰のような急性腰痛は、立って歩くのも困難なほどの痛みを伴いますので、足のしびれ・筋力低下や排尿障害など腰痛以外の随伴症状がなければまずは安静を保ち、悪化を認めなければ急性期を過ぎてからの精密検査でもよいでしょう。冷や汗や息苦しさを伴うような激痛や発熱を伴うような場合は内臓疾患の可能性があるため、すみやかに受診する必要があります。

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